「ひとり親家庭の食習慣・睡眠習慣について」調査報告書
令和7年11月 東海学園大学 健康栄養学部 管理栄養学科 栄養教育研究室
Ⅰ.調査の概要
1. 目的
ひとり親家庭では、仕事と家事・育児を一人で担う必要があるため、家庭生活と就労の両立が難しいと考えられる。その結果、家事・育児により就寝時刻が遅くなり、睡眠時間の短縮や熟眠感の低下など、睡眠習慣の乱れが生じる可能性が指摘されている。また、食費や時間の節約を優先することで、食事を確保することが難しくなり、食生活が不規則になりやすいという問題もみられる。これらの問題は、食・睡眠・生活習慣の乱れにつながり、ひいては心身の健康への影響が懸念される。
そこで本調査では、ひとり親世帯における保護者の食習慣、睡眠習慣、生活リズムなどの実態を明らかにすることを目的とした。
2. 調査方法
令和7年7~8月に、愛知県母子寡婦福祉連合会が実施する「スマイルBOX」応募者を対象として、Web上で調査を実施し、772名から回答を得た。
3. 調査内容
調査内容は以下のとおりである(【質問内容】参照)。
① 世帯・家族について(質問5)
② 普段の食習慣・食意識について(質問1)
③ 睡眠習慣・健康状態について(質問2)
④ 子育てについて(質問3)
⑤ 健康状態について(質問6)
なお、項目④「子育てについて」は、小学3年生以上のお子様のみがいらっしゃる方には、お子様が小学1・2年生だった頃を振り返って回答をいただいた。
4. 解析方法
得られたデータは、個人が特定されないよう匿名化した上で提供を受け、SPSS Statistics 29.0 for Windows(IBM 社)を用いて記述統計を行った。なお、本調査は東海学園大学研究倫理委員会(受付番号:2025-8)の承認を得て実施した。
Ⅱ.調査結果
世帯・家族について
普段の食習慣・食意識について
睡眠習慣について
健康状態について
子育てについて
Ⅲ.調査結果の概要・まとめ
本調査では、ひとり親世帯における親の食習慣、睡眠習慣、健康状態などの状況について検討を行った。
1.食習慣
朝食を毎日摂取している者は約6割であった一方、栄養バランスの整った朝食を摂取している者は約1割にとどまった。また、朝食時に子どもと共食している者は3割にも満たなかった。 食事作りにおいて重視している点は、「食材費」が最も多く約7割、次いで「栄養バランス」が約6割、子どもの嗜好」が約5割であった。また、その他の自由記述では、「量」、「短時間で用意できること」などが挙げられていた。
2.睡眠習慣
仕事がある日の前夜に24 時以降に就寝する者は約4割であったのに対し、仕事がない日の前夜では約6割に増加していた。また、約6割の人が「睡眠によって十分な休養が得られていない」と回答していた。
3.健康状態
自身の健康状態について「良好ではない」と認識している者は約4割であった。自覚症状としては、「疲れやすい」「ストレスを感じやすい」が多く、各々約3割であった。
4.子育てに関する状況
子育てに関する困りごとやストレス、不安を感じる頻度が「よくある」と回答した者は約4割であった。ストレスや不安を感じる具体的な内容としては、「ゲーム・動画視聴時間が長い」「就寝時刻が遅い」「朝なかなか起きない」「勉強しない」の順に多く挙げられた。
また、子どもの生活習慣や家庭内の決まりについて話す際の関わり方では、「してはいけないことを禁止・指示する」と回答した者が約9割で、そのうち「理由を説明する」が約7割、「理由を考えさせる」が約1割であった。
5.まとめ
以上の結果から、ひとり親世帯では慢性的な睡眠不足と朝食習慣の乱れが相互に関連し、これらが健康状態に影響を及ぼす可能性が示唆された。
今後は、食事作りの際に重視されていた「時短」や「低コスト」といった要素を踏まえつつ、十分な栄養を確保できる食事内容の提案が求められる。また、睡眠習慣を含む生活習慣全般の改善に向けた啓発も重要である。
これらの取り組みにより、家庭内での食事と睡眠のバランスが適切に保たれ、親子双方の健康維持に寄与することが期待される。
令和7年 11月 発行
東海学園大学 健康栄養学部 管理栄養学科
〒468-0014 名古屋市天白区中平2-901
電話(052)801-1201(代表)
監修 栄養教育研究室(中出 美代)
製作者 東海学園大学 健康栄養学部 管理栄養学科 4年
鶴澤 柚依
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